NFTと一言でいっても様々な形態があります。会計についても個別に検討する必要があり、取り扱いの立場によっても考え方が異なります。
会計とは企業の財務状況や経営成績を正しく判断する為に、お金の流れを記録して管理する業務です。
企業の経営における会計では、企業会計原則にのっとって会計処理をすることが一般的です。
しかしNFTの場合は原則や慣行、実務例がほとんどありません。
こうした中で会計処理を行うには、トークンの設計や性質、関連する契約などを読み解いていく必要があります。
権利義務関係を明確にして、その関係性が既存のどのような会計実務と類似しているかを検証しないといけないのです。
目次
NFTの論点
NFTの会計処理の論点は大きく分けて3つあります。
NFTを扱った行為が、収益・支出・資産計上のどれに類似しているかを整理していきましょう。
収益の論点
NFTを発行・販売・転売することで、顧客から得た収益をどのように処理するかです。
収益の会計処理では「収益認識会計基準」と「収益認識適用指針」の2つがあります。
①顧客との契約の識別
②契約における履行義務を識別
③取引価格を算定
④契約における履行義務への取引価格の配分
⑤履行義務の充足に応じた収益の認識
支出の論点
NFTを制作した場合に、その原価をどのような種類の費用として考えるかです。
NFTは資産的な価値を持ちますが、ブロックチェーン上で発行する際にはネットワーク環境に対する手数料を支払う必要があります。
資産計上の論点
NFTを保有している場合に資産としての性質をどのように位置づけるかです。
販売する商品の在庫、事業実現に必要な設備で「販売管理費」に相当する消耗品としての棚卸資産なのか、特許や知的財産権に相当する無形資産なのかという仕訳が必要になってきます。