NFTの発行・取引・譲渡には電力消費が伴います。
代表的なイーサリアムブロックチェーンが、エネルギー効率の悪いPoWアルゴリズムを採用していたため、環境への悪影響が心配されてきました。
NFTがブロックチェーンを基盤とする以上、ブロックチェーンの電力消費量の問題はあります。
ブロックチェーンが知られるきかっけとなったビットコインはPoWという仕組みを採用して、世界中のマシーンが計算競争に取り組むことで、データの改ざんを防ぎながらこれまで維持されてきました。
同じようにNFTの利用シェアで一番のイーサリアムもPoWの仕組みに支えられていて、NFTの普及による環境負荷が度々問題とされてきました。
環境問題への取り組み
NFTが持続的に普及・発展するためには、環境負荷を軽減することが急がれています。
カーボンクレジット
NFTを活用したいけれど、環境への負担が気になるという企業やアーティスト達が利用する傾向にあるのが、カーボンクレジットの仕組みです。
- カーボンクレジットとは?
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カーボンクレジットとは、森林保護や省エネ技術、再生可能エネルギーの導入といった事業による、温暖化ガスの排出削減効果を取引できる形にしたものの事です。
最近では民間事業者間の自主的な売買が活発になっています。
特にブロックチェーンの世界では、カーボンクレジットをデジタルアセットとしてトークン化して、流動性、透明性、資本効率性を向上させるプロジェクトが見られます。
NFTの発行と同時にカーボンクレジットを購入することで、カーボンニュートラルに配慮してNFTを発行することが可能なのです。
PoWからPoSへ
カーボンクレジットを利用する対症療法的な方法以外に、そもそもの排出量自体を削減するアプローチもされています。
電力消費量に支えられたPoWの仕組みから脱却して、ステークホルダー同士の利害関係に支えられたPoSと呼ばれる仕組みを採用することで、電力消費量を削減することが可能です。
実際に最も消費エネルギー効率が高いとされているSoranaを見てみましょう。
1回のトランザクションにかかる負担
- イーサリアムの40万分の1
- ビットコインの350万分の1
- Google検索2回分と同じくらい
NFTに対応しているSorana以外のブロックチェーンでも、PoSアルゴリズムを採用したものが増えています。
2022年9月には、利用シェアトップのイーサリアムもPoSへのアップデート「The Marge(ザ・マージ)」が行われました。
このアップデートは2015年ぐらいから計画されていた取り組みです。消費電力の99.95%を削減と二酸化炭素排出量も99%削減できると言われていました。
まとめ
このようにNFTの利用環境であるブロックチェーンの基盤自体も、日々改善が繰り返されていて環境負荷も大幅に削減されていっているのです。